Microplastics / Drinking water
ペットボトルの水と水道水、マイクロプラスチックはどっちが多い?
結論からいうと、最近の比較研究ではペットボトル水の方が粒子数が多かった例があります。ただし、測定できる粒子サイズ、地域、水源、ボトル、浄水処理によって数字はかなり変わります。「水道水ならゼロ」「ペットボトルは危険」と単純化せず、今どこまで分かっているかを整理します。
この記事の結論
粒子数ではペットボトル水が多かった研究が複数ある。ただし、測定法が違う研究同士の数字をそのまま比較しない。
僕なら、外出時のペットボトルまで無理にゼロにはしません。毎日家で飲む水については、水道水+性能を確認した浄水器という選択肢の方が、継続しやすくコストも管理しやすいです。
最近の比較研究では、ペットボトル水の方が多い傾向
2026年1月にScience of the Total Environmentへ掲載された研究では、4つの飲料水処理施設の処理水と、6ブランドのボトル水を比較しました。
結果は、ボトル水の方がマイクロ・ナノプラスチックの粒子数が有意に多く、特に小さい粒子で差が大きかったというものです。一方で、粒子の質量濃度には有意差がありませんでした。
2023年に中国で販売されるボトル水と水道水を比較した研究でも、平均はボトル水72.32 items/L、水道水49.67 items/Lで、ボトル水の方が多い結果でした。
PubMed:Occurrence of microplastics in commercially sold bottled water
「ペットボトル1Lに24万個」は本当?
2024年に大きく報道された研究では、市販のボトル水3ブランドを新しいイメージング技術で調べ、1Lあたり平均約24万個のプラスチック粒子を検出しました。
その約90%は、従来の研究では捉えにくかったナノプラスチックでした。
NIH:Plastic particles in bottled water
以前の研究より数字が10〜100倍大きく見えた理由のひとつは、より小さいナノサイズまで測れるようになったからです。
つまり「最近になって急にボトル水が100倍汚れた」のではなく、今まで見えていなかった粒子を測れるようになった面があります。
水道水にもマイクロプラスチックはある
水道水ならゼロというわけではありません。
2025年の水道水に関するシステマティックレビューとメタ解析では、研究をまとめたプール平均として56.98 particles/Lが報告されました。
Ecotoxicology and Environmental Safety:tap water systematic review
ただし、このレビュー自身も、研究ごとのサンプリング・粒径・分析法・品質管理の違いが大きく、標準化が重要だと指摘しています。
なぜペットボトル水で多くなることがある?
ボトル水に含まれる粒子は、単純に「PETボトル本体だけ」が原因とは限りません。
2024年の研究では、PETのほか、浄水工程で使われることがあるポリアミドなど複数のポリマーが確認されました。
ボトリング工程、キャップ、ろ過設備、水源、保管条件など、複数の経路が考えられます。
2026年に234本・18ブランドを調べた別研究では、ボトル水のマイクロプラスチック量は30〜402 particles/Lで、温度変化や日光・凍結など保管条件によって多くなる傾向も報告されています。
PubMed:Microplastics in bottled waters and storage conditions
研究の数字を横並びにできない理由
| 違い | 数字への影響 |
|---|---|
| 最小測定サイズ | 小さい粒子まで測るほど粒子数は大きくなりやすい |
| 分析装置 | FTIR、Raman、SEM、OPTIRなどで検出範囲が違う |
| 水源・地域 | 原水・浄水処理・配水系が違う |
| ボトル・キャップ | 材質・製造・開閉・保管条件が違う |
| 粒子の定義 | microだけか、nanoまで含むかで大きく変わる |
| 汚染対策 | 実験中の空気中繊維などをどこまで除外したか |
なので、ある研究の「72個/L」と別研究の「24万個/L」を見て、単純に数千倍と考えるのは間違いです。見ている粒子サイズが違います。
ペットボトル水の方が多いなら、飲まない方がいい?
そこまでは言えません。
FDAは2026年時点で、食品や飲料水から検出される現在のマイクロ・ナノプラスチックの水準が、人の健康リスクを示すことを科学的証拠は示していないとしています。
FDA:Microplastics and Nanoplastics in Foods
つまり、曝露量を減らす話と、健康改善が証明されている話は別です。
僕ならどうする?家では水道水+浄水器、外ではペットボトルも使う
僕なら、ペットボトルを完全に避ける生活にはしません。
外出先で水が必要なら普通に買います。その1本を気にするより、毎日1〜2L飲む自宅の水をどうするかの方が、習慣としては大きいからです。
自宅なら、性能を確認した浄水器を付けて水道水を使う方法が現実的です。
Microplasticsが気になるなら浄水器は「対象粒径」まで見る
浄水器なら何でも同じではありません。
第三者認証ならNSF/ANSI 401のMicroplastics Reduction認証、メーカー情報なら何μm以上を何%除去するかまで確認します。
東レのTORAYVINO MKシリーズは、公式で0.0003mm(0.3μm)より大きいマイクロプラスチックを99.95%除去保証としています。
曝露を減らしたいなら、やることはシンプル
- 家で毎日飲む水を決める。 水道水そのまま、浄水、ボトル水のどれが続けやすいか。
- 浄水器なら性能を見る。 対象粒径・除去率・認証・交換周期。
- ペットボトルを高温環境へ長時間放置しない。 メーカーの保管表示に従う。
- 外出時まで神経質にならない。 必要なら普通にボトル水を使う。
よくある疑問
水道水の方がマイクロプラスチックは少ない?
最近の複数の比較研究では、ボトル水の方が粒子数が多かった例があります。ただし地域・処理方法・分析法によって差があるので、世界中で常に水道水の方が少ないとは断定できません。
24万個/Lも飲んで大丈夫?
24万個/Lは、ナノプラスチックまで測定できる新しい手法で3ブランドを調べた研究の平均です。現時点では、この粒子数から人の健康被害を直接予測できる基準は確立していません。
浄水器を付ければゼロになる?
ゼロとは限りません。製品ごとに対象粒径と除去性能が異なります。ナノサイズまで含めてすべて除去できると勝手に解釈しないことが大切です。
ペットボトルはやめるべき?
この記事ではそこまで勧めません。日常的な曝露を気にするなら、自宅で毎日飲む水から見直す方が現実的です。
僕なら「ペットボトル禁止」ではなく、家の水を整える
最近の研究を見ると、ボトル水で粒子数が多い傾向は気になります。ただ、外で1本買うたびに不安になる必要はないと思っています。毎日飲む自宅の水を、性能を確認した浄水器で整える方が続けやすいです。
参考にした情報
- Science of the Total Environment:treated drinking water vs bottled water
- NIH:Plastic particles in bottled water
- Science of the Total Environment:commercially sold bottled water
- Ecotoxicology and Environmental Safety:tap water systematic review and meta-analysis
- FDA:Microplastics and Nanoplastics in Foods